運営委員長のご挨拶(2015年度)

生活の根底としてのコミュニケーション

2015年度ヒューマンコミュニケーショングループ運営委員長 井原 雅行(NTT)


今年度、ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)の運営委員長を担当することになりました。よろしくお願い致します。

いきなりですが、皆さん、東日本大震災のこと、忘れかけていませんか?あれから、もう四年以上になります。当時、「絆」という言葉が盛んに使われました。「人はコミュニケーションで成り立っているんだなぁ」と思うと同時に、自身の研究テーマもこれをきっかけに災害時に役立つ内容に変えようと思いました。四年もたって被災地の人々の考え方も変わったと聞きます。生活すること自体が大変であり、助け合いより自己主張の方が強くなる人もいらっしゃるとか。私は職場の仲間に「仕事、楽しい?楽しくないなら、仕事の中身、仕事のやり方、あるいは、仕事をする相手が間違ってるかもよ」と言うことがあります。会社という組織の中で働いていると(大学でも同じでしょうが…)、組織の制約とか、業績とか、自分の評価等を重視するあまり、コミュニケーションを優先できなくなっている人を見かけます。幸いにも、私は新入社員のときに先輩からきっちり叩き込まれたこともあり、周りの人とのコミュニケーションは大切にしているつもりです。また、仕事もそういう価値観の人と一緒にしたいと思います。やはり生活の根底は人とのコミュニケーションなのではないでしょうか。

さて、そろそろHCGの話をしましょう。HCGは電子情報通信学会に属していますが、この学会自体のあり方が見直されようとしています。今から数年かけて新しい運用ルールが制定されることでしょう。HCGとしても、より活動しやすい環境を獲得するために、必要なら学会に働きかけていくことも重要です。運営委員長に就任するにあたり、取り組むべき項目として以下の三点をあげたいと思います。

(1)    コミュニティの活性化と活動アピール
(2)    活動しやすい環境の提供
(3)    新施策実施の場としてのHCGを強化

上記(1)については、HCGシンポジウムの更なる活性化、HCGウェブサイトコンテンツの見直し、研究成果の社会還元、HCG内議論の情報発信があげられます。(2)については、多様な研究会実施形態の許容、功労賞制度の新設が、(3)については、新研究分野の開拓、研究分野型でない研究専門委員会の設置推奨があげられます。HCGは1000人弱の規模の組織ですから、上記の全てを実施することは逆に関係者の皆さんの負担を増やすことになるでしょう。取り組みの優先度をよく考え、ニーズのあるものから実施方法を具体化していきたいと思っています。そのためにも、HCG所属の全研究専門委員会にヒアリングを開始しました。ヒアリング結果をうまく施策実施に活かせたらと思っています。

学会の役割は、皆さんが活動しやすいようサポートすることです。委員長のエゴで皆さんの負担を増やして迷惑をかけないよう、十分配慮しながらHCGを盛り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。