運営委員長のご挨拶(2004年度)

新時代の学会のパイロットモデルとしてのHCG

2004年度ヒューマンコミュニケーショングループ運営委員長 西田 豊明(京都大学)

2004年度運営委員長

平成16年度の運営委員長を拝命しました。1年間どうぞよろしくお願いいたします。

昨年度から、電子情報通信学会の理事会にオブザーバ出席しています。 理事会の議論を聞いていると、学会運営の難しさがひしひしと伝わってきます。 学会が学術研究の交流の場として有効に機能するためには、学会経営の面でも成功しなければなりません。 コスト削減に努める一方で、リスクを背負って積極的に打って出ることが求められます。電子情報通信学会が新時代の学会にふさわしいものになるためには、たゆむことなく自己改革を継続していく必要があります。

ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)拡大運営委員会におけるこれまでの議論では、HCGの役割が、 ヒューマンコミュニケーションという視点を軸とし、さまざまな壁を越えて横断型の活動を展開するとともに、 学会を先導する新しい試みに積極的に取り組むことであることが再確認されました。

くしくも、昨年度は、WITが中心になって提出した学会活性化資金が認められました。 HCGが従来から積極的に取り組んでいた新しい取り組みの賜物であると認識しております。 これを受けて情報保障WGが発足し、アクティブな活動を開始しました。 また、6月22日の拡大運営委員会では、新たに第2種研究会として「Webインテリジェンスとインタラクション」 の設立が決定されました。HCGの存在意義は、こうした努力を積み重ねて、脱皮し続けていくことのなかにあると確信しております。

HCGがさまざまな新しい試みを推進するためには、堅固な基盤に支えられている必要があります。 HCGを通して研究発表をする人にとっては、HCGで発表された情報が広く世界に発信されるようになっていなければなりません。 HCGを通して知識を増やそうとする人にとっては、HCGのなかにどのような人がいて、 どのような情報を生み出しているかが把握できなければなりません。HCGを通して横断型の研究や新しい研究の潮流を創出しようとする人にとっては、 第2種・第3種研究会の枠組みをうまく活用できるようになっていなければなりません。 HCGの運営に携わる人にとっては、HCGの過去の資産と現状が共有され、協調作業のための機能が整っていなければなりません。 また、外部の人がHCGのメンバーにアクセスするためのルートも確立されていなければなりません。最も重要なことは、HCGに関わるさまざまな人たちの間のコミュニケーションを支援する機能が 確立されていなければならないことです。

平成16年度は、HCGの活動の透明性の確立に焦点をあてた基盤整備を行い、 新時代の学会のパイロットモデルとしての役割を強化したいと考えております。

皆様には是非積極的な提言をいただきますようお願い申し上げます。