委員長のご挨拶

2023年度ヒューマンコミュニケーショングループ運営委員長 和田 親宗(九州工業大学)

 

電子情報通信学会・ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG),2023年度の運営委員長を務めます九州工業大学の和田親宗です.まず簡単に自己紹介をさせていただきます.福祉工学に関する研究をおこなっており,当事者の能力等を活かす方向で,かつ,工学的支援が少なくなるような方向で,情報提示技術や機器制御技術の開発を進めています.電子情報通信学会の運営には,和文論文誌Dの編集委員長や福祉情報工学研究会(WIT)の委員長の立場で携わってきました.一昨年度から,HCGの運営に加わり,先達の仕事から様々なことを学んで参りました.今年度は,委員長として,研究会運営の皆様やHCGシンポジウム担当の皆様が仕事を進めやすくなるよう,微力ではありますが務めて参ります.どうぞよろしくお願い申し上げます.

 

さて,ご存じのように,COVID-19により,生活,働き方や教育において多くのことを大きく変えざるを得ませんでした.会議や講義なども含めた様々なことを非接触の遠隔のみで実施となっていましたが,最近ではハイブリッドを含めた対面が主になりつつあります.ネットショッピングや遠隔会議・遠隔講義のように,遠隔による実施には,時間や移動の制約のなさなど良い点はあります.しかし,対面での対話の際の「空気感(表情や態度などの雰囲気を想定)」を共有できず,うまく情報が伝わらない等の問題があると考えます.また,対面ではおこないやすい主題以外の会話(いわゆる雑談)を,遠隔ではおこないづらく,他人とのつながりを深めることや事象の新しい発見は難しいと考えます.

 

HCGは,豊かなコミュニケーション社会の形成を目指し,人と人,人をとりまく環境とのコミュニケーションに関連する分野横断的な研究調査活動をおこなっています.人文社会の分野,工学分野,医学生理学の分野など様々な研究者や専門家が,研究会やシンポジウムに集い,深い議論をおこなっています.最近では,HCGの研究会やシンポジウムにおいて,上述した遠隔によるコミュニケーションの諸問題の解決を目指した研究の発表もあり,まさに今の時代に必要な研究者・専門家集団であると考えます.

 

今の時代に必要であり,今後のコミュニケーション社会の発展に貢献するHCGを発展させるため,電子情報通信学会の会員資格の有無を問わず,多様な背景をお持ちの人々が,より集まりやすく交流できる環境を構築して参ります.皆様のHCGへのご参加をお待ちしております.なお,各研究会の活動予定やHCGシンポジウム(北九州,2023年12月)の予定につきましては,ホームページをご覧いただければと思います.また,ニュースレターでも案内いたしますので,未登録の方は,この機会に是非ご登録ください.併せて,興味を持ちそうな方にも,HCGを是非ご紹介いただければと思います.

 

以上をもちまして,委員長からの挨拶とさせていただきます.

これから1年間,どうぞよろしくお願い申し上げます.